夏の風物詩といえば、夜空に広がる花火ではないでしょうか。
手持ち花火や打ち上げ花火など、花火は夏を楽しむためのアイテムともいえます。
とくに、打ち上げ花火は大規模な花火大会などもあり、毎年心待ちにしている人も多いかもしれません。
打ち上げ花火にはさまざまな種類があるので、それぞれの名前を知っているとさらに楽しむこともできるでしょう。
この記事では、打ち上げ花火の種類や、花火を楽しむためのマメ知識について紹介しています。
打ち上げ花火をより楽しむためにも、ぜひ参考にしてみてください。
打ち上げ花火の種類
花火は、大きく分けて以下3種類に分けることができます。
- 割物→四方八方に広がる日本を代表とする花火の形
- 半割物→大きな花ではなく小さな花を広げて光る花火の形
- ポカ→広がるというよりも放出に近い花火の形
また、これらの中でもさらに種類を分類することが可能です。
打ち上げられた花火を眺めながら、花火の名前が言えると格好良いですよね。
打ち上げ花火の種類について紹介するので、花火を楽しむためだけではなく、知識としても是非確認してみてください。
菊(キク)
菊は、日本の伝統的な花火です。
よく花火を想像するときに思い浮かべる形の1つかもしれません。
星と呼ばれる火薬の塊が四方八方に飛び散り、大きな菊の花の形に似ていることから「菊」と呼ばれています。
放射された花びらの先が変化する菊花火は「変化菊」とも呼ばれており、王道な形ながらも長く日本で愛されている花火の1つです。
牡丹(ぼたん)
牡丹は、菊のように丸い大きな花の形をしている花火ですが、菊と異なるのは星が尾を引いていない点です。
光の点が散らばった形で、鮮やかに光る特徴を持っています。
とくに、マグネシウムを混ぜた火薬を用いた牡丹花火は「ダリヤ」と呼ばれており、フィナーレで見られるスターマインなどでも使われることが多いです。
花火自体の色も強いので、印象に残りやすい花火ともいえます。
冠(かむろ)
冠(かむろ)は、菊や牡丹のように花が広がってる花火とは異なり、地面にまで落ちるように花が広がる花火のことです。
長時間光り続け、地面の近くまで落ちる様子がしだれ柳のように見えるのも特徴的です。
昔、日本ではおかっぱ頭のことを禿(かむろ)と呼んでいました。
その禿の姿に似ていることから、冠と呼ばれるようになったそうです。
椰子(ヤシ)
椰子は、椰子の花のように太い尾が四方八方に伸びる姿の花火です。
花弁が太く大きいので、力強い印象があります。
一般的な花火よりも大きな火薬を使用しているので、色鮮やかで太いのが特徴的です。
また、その形が椰子の花に似ていることから、椰子と呼ばれています。
型物(かたもの)
点や線を繋いで、ハートや星の形を作る花火のことです。
近年はマークだけではなく文字を浮かべたり、立体的なものを浮かばせたりなど、技術面でもレベルが上がっています。
平面的なものしかなかったバリエーションも増え、型物花火はさらに花火を楽しいものにしました。
角度や風の速度によって形の見え方も変わるので、「あれはなんの形だろう?」と話しながら見るのもおすすめです。
万華鏡(まんげきょう)
万華鏡は、和紙で包んだ星を玉につめこんで、上空で破裂したときに万華鏡のように花が広がってみえる花火です。
さまざまな色の花が放射状に広がっているので、万華鏡を覗き込んだときのように見えるのが名前の由来となっています。
ほかにも、「ポインセチア」や「未来花」と呼ばれることもあります。
柳(やなぎ)
柳とは、柳の枝が垂れ下がるような見た目をしている花火のことを指します。
冠のようなふくらみはなく、尾がまっすぐと地面に落ちていくところが特徴的です。
近年は単色だけではなく、垂れ落ちる際に色が変わる柳もあります。
ゆっくり落ちていくので、最後の火が消えるまで楽しむことができ、余韻を味わうのも柳の魅力の1つです。
蜂(ハチ)
蜂は、玉が開く際に星がまとまった状態でさまざまな方向に動き回る花火です。
シュルシュルと音が鳴るのも特徴で、その不規則な動きや音から、蜂と呼ばれています。
とてもユニークな花火なので、好きな人も多いかもしれませんね。
飛遊星(ひゆうせい)
放射状に広がるのではなく、不規則に星が飛び回る花火のことです。
ほかにも、「遊飛星」や「遊泳星」などさまざまな名前で呼ばれており、業者によって呼び方が異なります。
とくに近年多いのは、開いた後の星先が自由に動き回る花火です。
さまざまな色の星が動き回るので、最後まで楽しむことができます。
また、スターマインなどでよく用いられ、全体に躍動感を与える役割を担っています。
花雷(はならい)
パンパン、と大きな音を出しながら強い光を放つ花火のことです。
通常の花火よりも大きな音をだす「音物」とよばれる花火の一種で、運動会の徒競走の合図などにも使われています。
これにチタンを混ぜることで色をつけたのが「花雷」です
千輪(せんりん)
上空で玉が割れた瞬間に中に入っていた小玉が飛び散り、時間差で一斉に開く花火のことです。
小さな花が沢山開く姿から、千輪と呼ばれています。
一呼吸空いて「あれ?」と思った瞬間に、上空に大量に花が開くのは圧巻ですよね。
花火をもっと楽しむためのマメ知識
花火をもっと楽しむためにも、花火の種類だけではなく別の知識も揃えましょう。
花火の仕組みやルーツなど、タメになる情報を知っているだけでも、
より楽しんで花火を鑑賞することができます。
花火の発光はどんな仕組み?
学生の頃、炎色反応を勉強したのを覚えていますか?(たぶん中2の教科書に載っています。)
炎色反応とは、金属を熱したとき、金属の元素によって特有の色の炎をあげる現象です。
金属によってどう色が変わるのか、以下の表で示すので参考にしてください。
花火玉の中には金属を含む火薬が詰め込まれており、上空で爆発すると燃えて炎色反応を起こし、色を変えます。
そのため、緑色の花火が上空で広がったら、「バリウムが使われているんだ!」と確認することも可能です。
花火がそんなに詳しくない方と見るときに、マメ知識として紹介もできますね。
ちなみにわが町、豊橋の手筒花火のあの暖かな色は鉄粉の炎色反応によるものです。おおたまは、あの色が一番好きです。
花火のルーツ|花火はどうしてはじめられたの?
花火の最初は「のろし」といわれています。
当時は空に打ち上げて楽しむものではなく、遠くにいる味方に合図を送るものとして使われていました。
花火が本格的に鑑賞されるようになったのは、江戸時代です。
当時の将軍である徳川家康が、中国人が打ち上げた花火を見たことがきっかけとなり、ほかの大名や将軍の間で花火が流行りました。
現代のように、お盆や川開きで花火が打ち上げられるようになったのは、1733年に起こった享保の大飢饉による悪疫退散を祈ってうち上げた花火がきっかけです。
さらに、花火は次第に鎮魂を目的として打ち上げられるようになりました。
現代では、花火大会はお盆の時期に打ち上げられることが多いですよね。
花火には鎮魂の意味も込められているため、お盆に花火大会を開く地域が多いのです。
キレイな花火とは|花火に点数がつけられるってホント?
花火には、以下の条件がそろっていると良い花火とされています。
- 玉の座りが良い→玉が、最高地点に到達して開いた花火のこと。
- 盆が良い→大きく真円に広がっている花火のこと。
- 肩のはりが良い→花火が開いて現れる光の筋がまっすぐ伸びた花火のこと。
- 消え口がそろう→花火が打ちあがり、同時に消えること
打ち上げられた花火を見ると、どれもキレイに見えますが、上記の条件を気にして鑑賞してみるのも違った楽しみ方ができます。
見る場所で花火の形は変わる?
花火は、上から見ても下から見ても同じ形に見えます。
何故なら、打ち上げられた後の花火玉からは、どの方向にも星が飛び出すからです。
ただし、型物などは形が決められているので、見る場所によっては形が歪んで見えることもあります。
今年の夏はさまざまな種類の花火を楽しもう
花火といっても種類はさまざま、花火大会では多くの花火を見ることができます。
打ち上げられた花火を見ながら「あの花火の名前は椰子だ!」などと言えれば、より一層花火を楽しむことができるでしょう。
花火を見て楽しむだけでなく、種類の名前やどんな形をしているのかなどに注目するのもおすすめです。
これまでと違った楽しみ方で、今年の花火を見てみるのも良いかもしれませんね。
コメント
この記事へのコメントはありません。
トラックバック:花火の仕組み|花火大会の鑑賞がもっと楽しくなる玉名の知識 – KOHO TOYOHASHI